Pendling bei Thiersee nahe Kufstein

雨のPendling(ペンドリング)登山と、山頂ヒュッテで味わう最高のKaspressknödelsuppe(チーズ団子スープ)―チロル・クフシュタイン近郊で楽しむ山歩き

8月はじめ、オーストリアのチロル州クフシュタイン近郊、ティアゼー(Thiersee)の近くにあるPendling(ペンドリング)に登ってきました。特に有名な山というわけではないですが、ハイカーや地元の家族連れに愛される、とても素敵な山です。今日は、あいにくの雨模様でしたが、それでも良かった理由を、登山当日の様子や山頂ヒュッテの名物料理とともに、ご紹介したいと思います。

クフシュタインの街を見下ろす名峰Pendling

Pendling(標高1563m)は、オーストリア・チロル州の玄関口ともいえるクフシュタイン(Kufstein)のすぐ近く、Thiersee湖の北側にどっしりとそびえる山です。実際に登ってみて驚いたのは、山そのものがとても「親しみやすい」雰囲気に包まれていること。難易度が高すぎず、登山道も整備されていて、日帰りで気軽にトライできるのが魅力です。

朝早く、車でミュンヘンからクフシュタインを経由してThiersee方面へ。登山口の小さな駐車場に着いた時点では、まだ小雨がパラパラと降っていました。「せっかく来たのに雨か……」という空気もありましたが、周囲の森の緑がしっとりと濡れて、一層美しく見えたのも事実。むしろ、霧に包まれたアルプスの山々はどこか幻想的で、これはこれで特別だな、と気持ちを切り替えて歩き始めることにしました。

登山道はしっとり森と岩肌の道 雨の日ならではの静けさ

Pendlingの登山道は全長9kmほど。最初は森の中をゆるやかに登っていきます。雨のおかげで登山客はいつもより少なめ。歩き始めてすぐ、足元の落ち葉や苔、しっとり濡れた岩や根っこ、そして木々から滴り落ちる水滴の音……静かな「緑」の中を、一歩一歩進むのは贅沢な時間でした。

何より、森の空気がしっとりと潤い、深呼吸をすると体の中まで清められるような気持ちになります。ときおり霧が流れ、目の前の木々がぼんやりと霞む様子は良かった。小雨のせいで展望はあまり期待できなかったものの、この森や山歩きこそが「Pendling登山のハイライトなのかも」と感じました。

雨の合間をぬって頂上(Gipfel)まであと少し。森を抜け、低い灌木の間を進むと、標高1563mの頂上に到着です。本来ならここからクフシュタインの街や、チロル・バイエルンの山並みが大パノラマで広がるはずなのですが、この日は一面の雲と霧。それでも、頂上の十字架(Gipfelkreuz)にタッチし、記念写真を撮ると、「やっぱりここまで来てよかった!」と思えました。

山頂直下のPendlinghaus――新しい温かなヒュッテでほっと一息

駐車場から2時間ほど歩いて、標高1537m地点に建つヒュッテ「Pendlinghaus」に到着。外は本格的な雨になってきたので、「これは絶好のヒュッテ休憩日和!」とばかりに、中に駆け込みました。

ヒュッテの扉を開けると、木造の温かみある空間と、薪ストーブのほのかな香り。最初に建てられたのは1909年ですが、本当に最近リニューアルしたようで木造の良い香りがしていました。壁には歴代登山者たちの写真や、地元の自然に関するポスターが飾られていて、まるで山小屋好きの夢が詰まったような空間です。濡れたレインウェアを脱いで、窓際の席に座ると、曇ったガラス越しにうっすらとクフシュタインの街並みや谷の景色が見えてきました。

ここでのお楽しみは、何といっても名物の「Kaspressknödelsuppe(カスプレスクヌーデルズッペ)」。チロル地方の定番、チーズ入りの焼きクヌーデル(団子)が入ったスープです。私は迷わず注文し、ほどなくして熱々のスープがテーブルに運ばれてきました。

絶品!とろけるKaspressknödelの誘惑

Kaspressknödelは、濃厚なチーズを生地に練り込み、外側を香ばしく焼き上げた平たい団子。お皿の中でじんわりとスープを吸い、ナイフで切ると中からチーズがとろ~り。外はサクサク、内側はもっちり&とろけるチーズ。ひとくち食べると、体の芯から温まるような美味しさに思わず笑みがこぼれました。

スープ自体は野菜やハーブの優しい風味がきいていて、山歩きで冷えた体に本当にしみわたります。雨で少し寒かったこともあり、普段以上に「この一杯があるから登ってよかった!」と思えました。登山の途中で味わうあたたかな郷土料理――これこそヨーロッパアルプスの山旅の最大のご褒美かもしれません。

頂上へ――雨の中でも達成感はひとしお

ヒュッテでゆっくり温まった後、雨は止んでいて気分良く下山しました。雨で滑りやすくなっていたので、下山は慎重に。でも登りとはまた違った景色や出会いもあり、終始楽しい気分で歩くことができました。

雨の日登山の魅力と、Pendlingのおすすめポイント

今回のPendling登山、晴れていればもちろん素晴らしい景色に出会えたと思います。でも、雨の日ならではの静けさ、幻想的な森、そして何よりヒュッテでのKaspressknödelスープの温もりが忘れられません。「登山は天気が悪いとつまらない」と思いがちですが、実は雨の日こそ普段気づかない自然の美しさや、自分の感覚の鋭さに気づける絶好のチャンスです。

Pendlingは、登山初心者でも比較的安心して登れるコースですが、適度なアップダウンや変化のある道が続き、経験者にも十分満足できるはず。山頂ヒュッテの温かさや美味しい料理も大きな魅力です。

もしクフシュタイン方面を旅することがあれば、ぜひPendling登山にチャレンジしてみてください。天気が良ければもちろん、雨の日でもきっと心に残る素敵な時間が過ごせるはずです。そして、ぜひPendlinghausでKaspressknödelsuppeを味わいながら、アルプスの恵みと温もりを体験してみてください。

https://www.tirol.at/aktivitaeten/sport/wandern/wandertouren/pendling

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kiyoshichiya
kiyoshichiya合同会社喜代七 / 喜代七屋 Kiyoshichi LLC / Kiyoshichiya freelance
Agriculture, Forestry, Fisheries Management Consultant & Fieldwork Coodinator.

We are working to live our LIFE that can be enjoyed for seven generations. Utilizing my know-how and experience, I am working as a professional consultant mainly in Japan and Germany. My hobbies are Mountaineering, Violin, Academic Learning & Fieldwork.
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