Eschenlohe ~ Hohe Kisten (1922m) ~ Krottenkopf (2089m)

今日は挑戦的な日帰り登山をするために朝早く起きました。

日本は山の日(8月11日)で祝日です。

今回の登山は、スキルと経験だけでなく体調、天候、時間的制約とか色んな条件が揃わないと登れないような山を選びました。日帰り登山にするために、速いスピードを維持する体力と急傾斜を安定して上り下りする技術が必要だし、つらい中を進む覚悟も必要です。あと、本気で、フルパワーで登山をした時の自分の限界を知るという意味での挑戦もしたかったわけです。

目指す頂上は、バイエルンアルプス・エスターゲビルゲの最高峰、ドイツのフォアアルプスで最も標高が高いKrottenkopf(2086m)です。この山の頂上は下界のどこから登っても最低8時間くらいかかって、長距離に加えて高低差が1500mはあるので、どのガイド情報も中級以上や難易度高のレベルに設定されています。また、Krottenkopfを登頂する前に、Hohe Kisten (1922m)にも登ることにします。ここは10年くらい前に「なんちゃって山岳狂会」メンバーで登った山です。私は2012年5月中旬に一度だけチャレンジして、中間地点の広場まで行きましたが、頂上には行けませんでした。グループでは覚えているだけで3回しかこのルートを登っていません。とにかく、思い出のある登山道です。(ほとんど忘れていましたがw)

想定行程は、出発地のEschenlohe駅付近を8時頃出発で、4時間でHohe Kisten頂上に到着、状況に応じて可能であれば1時間でKrottenkopf頂上に到着、30分ほど休憩して、3時間半で下山、計9時間の行程を考えています。

朝5時半に起きて、さっそく最寄りの街のEschenloheに列車で向かいました。

早朝の外気温は10℃~15℃、半袖半ズボンではとても寒いです。

ミュンヘンからの早朝の列車はほとんど無人。ひとまず、Murnau駅まで行きます。先月の投稿からも書いているように、6月の列車事故でMurnauまでしか列車がなく、そこからは行き先別にバスかタクシーに乗って移動します。今日はそこから、Ohlstadtを経由してEschenloheまで。

バスの中からガルミッシュ方面の山々が見えます。Zugspitzeもはっきり、今日は良い天気。

今日の目的地のあるエスターゲビルゲの絶壁が見えます。あれを上まで登りその向こう側に行きます。すごく遠く見えるんだけど。。。

これがエッシェンローエの市庁舎。かわいいサイズだな。

大通りにある銅像。毎回写真とってるなこれ。

駅から少し歩くとLoisach川に架かるいつもの橋があります。

朝のロイザッハもきれいだな。

目的地(の方面)がはっきりと見えます。

ここからKrottenkopf通り。登山口までの道はすごく分かり易い。迷うことはない。

仏頂面の猫がこっちを見てる。すみません、朝からお邪魔します。

形もはっきり見えてきた。それにしても高いな。本当にあの向こうまで登れるのか。

西側に目を向けるとエッターラーマンデルが見える。今日は本当にいい天気だ。道端の家先には真っ赤なナス科のサフィニア。ペチュニアの園芸品種。

そうこうするうちに出発点の駐車場に到着です。駅からちょっと速足で歩いて20分ほど。朝早いせいか車が全然ない。「なんちゃって登山」グループでいつも撮っている写真をここで一枚。ひとりだとちょっと寂しいな。

背景に見えるのが今日の目的地エスターゲビルゲの絶壁、あれを越えます。

ちなみに左が2011年5月7日、右が2011年5月21日、みんな若いし、登山前は元気。

駐車場を過ぎると薪置き場があって、そこを曲がると標識とゲートがあります。なんかスタートラインみたい。

山道を激しくバイクするおじいさん

駐車場から15分ほど登ると、分かれ道があります。左は林道、右は登山道。左からでも頂上を目指せますが、ゆっくり上がっていくの遠回りになってしまいます。今日は右で。

分かれ道にはしっかり標識もあって、右は慣れた人用とある。

この道は標識だけじゃなくてマークがたくさんしてあるので、あまり迷わない

だんだん道も狭くなっていき、急傾斜になってきた。

山側を見上げるとすでに急傾斜。ここは登れないな。

しばらく進むとさらに山道に上る道がある。目指すKrottenkopfはこの上にある。このルートでは、ここまでがレベル1。全部でレベル5まである。

レベル2はこういう道が続きます。

しかし、こういう急傾斜な山道でもしっかり森はきれいです。

ウメバチソウ Sumpf-Herzblatt (Parnassia palustris)

滝みたいな水の音が聞こえてきて、視界が開けてきた。絶壁がはっきりとみえてきた。

森林地帯を抜けて谷部の細道を歩いていきます。足元のすぐ横は崖です。

ワイヤー付きの道もあるけどここではあまり必要ない

この道沿いには複数の滝が見られる。暑いからタオルだけ濡らして先にいこう。

先に進むと突然開けた広場が現れる。休憩できる小屋もあって春には一面花畑になる。ちょうど歩き疲れた頃に現れるこの天国についつい時間をたくさん使ってしまう、とあるグループではここを通称「魔の広場」と呼んでいる。

今日は馬が2頭放牧されていた。牛が付ける鈴を付けていて、あたりではその鈴の音だけが聞こえてる。天国かな。

目的地方面を見るとすぐ近くにあるように見えるけど、まだまだ。綺麗な景色だ。

10年前、ここで休憩したな。そしてここまで来て時間が足りずその日は引き返した思い出がある。

10年前くらいはこんな感じ。なにも変わってない。地質学的な時間スケールからすると、10年なんてなにも変わらないくらい小さな変化。自然は偉大な存在。

キレイな花を見て、さあ、すぐに出発しよう。恐ろしい魔の広場を早く脱出しなければ。

ここから、このルートのレベル3です。

Hohe Kistenに向けて出発。だんだん大きな石が転がった歩きにくい小道になってきました。頂上付近の岩肌が近くなってきた証拠です。

レベル2より断然歩きにくい!石の道が崩れやすく登ってもちょっと下がるを繰り返しながら進みます。

結構登った気がするけど、魔の広場がまだ近い。景色が良い。右が10年前の写真(5月中旬頃)。やっぱり夏の景色の方がきれいかも。

歩きにくい!平衡に立てない。傾斜もさらに急になって日陰もなく太陽が近いせいか非常に暑い。

今日の最終目的地Krottenkopfへの道が示してあります。しかし、まずHohe Kistenだよ。

さらに上へ。右の一番とんがった山がこの前登ったHeimgarten。

さあ、頂上が見えてきました。しかしここから直線的には登れないので左側から迂回してまず尾根にでます。ハイムガルテンの左からWalchenseeが見えてきました。美しい!

ちなみにこれが10年前。

迂回するのも大変だな。こういうところの落石は気を付けないといけません。リスクがあるところは素早く移動すること。

岩登りが必要な道

やっとHohe Kisten頂上の十字架が見えた。見えるけどまだ迂回して後ろ側から登らないと。

完全にハイムガルテンが下にあるから、もう標高1800mくらいかな。

すれ違った人を見返すと西側の景色が広がっている。美しい!

さあ尾根に着いた。ここで道が三つに分かれる。来た道がエッシェンローエ方面、もう一方のルート、東側からのWallgauから登ってくる道、もうひとつが尾根を歩いてKrottenkopf方面に向かう道。東側の景色もきれいだな。

行き先のずっと向こうにKrottenkopfとその下にある山小屋Heimgartenhütteが見える。見えるけど遠い!下の写真は10年前の5月頃、まだ雪が結構残ってる。

こうゆう尾根のような道をゆきます。ここからレベル4です。ずっと景色がきれい。しかし長い。あの頂上まで行くのにまだどんだけ歩くんだ。

しばらくするとHohe Kistenに登る道の標識が見える。完全に寄り道になるけどまず、ここを制覇だ。

以外に頂上まで時間がかかる。十字架を見えてるのに。

Hohe Kistenの十字架
Hohe Kisten (1922m) 2022.August.11

Hohe Kisten (1922m)に着いた!景色が美しい!すぐ下に見える町が出発地点のEschenlohe。ずいぶん登ったな。ここまでで出発してから3時間15分くらい。

Hohe Kisten (1922m) 2012.May.21

10年前の頂上からの景色はこんな感じ。Eschenloheに近いAutobahn脇に中規模のソーラーパネルが建設されている。地元の人に聞くと2,3年前からあるそう。

360度パノラマ、本当にいい景色。エッシェンローエの向こうに見えるのがMurnauの街とシュタッフェル湖と大きな湿地帯。北側を見ると、オスター湖とシュターンベルク湖が見える。

時間がないのでGipfelbuchに登頂記録を記して、すぐに元の道へ下ります。

以外と時間がかかってしまったので、ちょっと急ぎ足であの向こうに見える頂上へ。尾根道の内側(東側)は火山の火口みたいに窪地になっていて、羊や牛などの放牧がされていた。雲がでてきた。

急ぎ足で、Hohe Kistenから45分ほどでHeimgartenhütteに到着。小さめの山小屋だけど、ここで宿泊もできる。

ここからKrünやGarmisch、Oberau方面に降りる道に分かれる。

山小屋で美味しそうにビールを飲む登山者たちを横目で見ながら、そのままKrottenkopfの頂上を目指します。最後の直線登山。この急傾斜がレベル5だ。

羊がこっちを見てる。こっちはしんどいんだよ。最高の景色のところで放牧されてるんだね。

Krottenkopf到着です!!山小屋から30分くらいかな。出発点から4時間半後に目的地に登頂できました。

Krottenkopf (2089m) 2022.August.11

これが頂上からの景色です。西側を見るとさっき歩いてきた道が見えます。その奥には下界と地平線、空の青もキレイだな。身体は疲れているけど感動して疲れも感じない。

北側に目を向けるとさっき登頂したHohe Kistenが見えます。あの特に尖ってる先が頂上。道理でしんどいわ。あそこまでまた戻るのか。。。

南側はZugspitzeがはっきりと見える。今度はあそこを登ろう。

ちょっとお昼ご飯を食べて、Gipfelbuchに記録して、写真撮って、すぐに下山だ。

登頂記念を一枚。残念ながらこんなときだけ曇り!

Hohe Kistenはこんな崖の上にあったのですね。そら迂回しないと登れないわ。

途中の道にはこんな登山道もあるけど、ここはちょっとリスクが高いかな。このルートが最短で登れるみたいだけど。安全第一ですよ。

尾根を歩くのはこれでおしまい。振り返るとKrottenkopfがもう遠くに見える。いやー良かった。良い頂上だった。疲れたけどその分感動もした。また来よう。

魔の広場を見ながら降りていきます。既に歩いたルートなので、さらにスピードを上げて降りていきます。足に負担をかけないようストックを上手く使いテンポよく歩きます。

下山は早いものです。出発地点の駐車場に戻ってこれたのは15時過ぎくらい。登山開始から7時間ちょっとです。

帰りの列車に乗るために駅に向かいます。

振り返ると今日登ってきたエスターゲビルゲの山々が見えます。大変だったけど良かったな。感動した。

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kiyoshichiya
kiyoshichiya合同会社喜代七 / 喜代七屋 Kiyoshichi LLC / Kiyoshichiya freelance
Agriculture, Forestry, Fisheries Management Consultant & Fieldwork Coodinator.

We are working to live our LIFE that can be enjoyed for seven generations. Utilizing my know-how and experience, I am working as a professional consultant mainly in Japan and Germany. My hobbies are Mountaineering, Violin, Academic Learning & Fieldwork.
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